「太郎右衛門自然再生地」は、荒川の太郎右衛門橋下流の約4km区間(約50.4~54.0km)にあり、荒川の旧流路とその周辺に良好な湿地環境が残る場所です。太郎右衛門自然再生地の旧流路は、かつては荒川の本流でありましたが、1930年代の河川改修事業により捷水路が整備され、本流は直線化し、残存した旧流路は、荒川河道内に遊水効果を高めるための横堤が建設されたことにより、本川から切り離された3つの止水環境(池)となりました。
本流の直線化により安全度が高まった一方で、良好な湿地だった場所は洪水の影響を受けにくくなり乾燥化が進むとともに、近年は外来種の侵入などもあって、環境が悪化しています。このため、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、NPO、専門家等の地域の多様な主体が参加して「荒川太郎右衛門地区自然再生協議会」を構成し、過去に損なわれた自然環境を取り戻すための事業を実施しています。この事業は「自然再生推進法」に基づく全国で最初の取り組みです。
荒川太郎右衛門地区自然再生協議会
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旧流路は河川改修事業により3つの池に分断され、現在の形状となった
自然再生事業を行うことで生物の多様性をさらに高めること
旧流路の保全・再生、湿地環境の拡大在来種が生息・生育できる場の再生
園路整備や看板等を整備し環境学習や自然体験の場として活用
外来種が繁茂している箇所を掘削し湿性地を新たに創出